有料店がオープン
アイスコーヒーが登場

コーヒー生産国のコーヒー有料店



「コーヒー料金をとるレストランが開店したから飲みに行きましょう」
と、コロンビア駐在の三菱商事社員、難波淳さん。
日本の食堂などでお茶が無料なのと同様に、南米第二のコーヒー生産国コロン
ビアのレストランでは食事の後のコーヒーは無料というよき習慣が残っている。
 その国にコーヒー料金をとる店が出来たのだから、話題になる。
なにしろ、難波さんによると、コロンビアは年間四百万袋のコーヒー生豆を輸 出し、
外貨の二十%を得ているコーヒー王国なのだ。
コロンビアの首都サンタフェ・ボゴダの、日本でいえば東京の六本木のような
地区にあるレストランに行く。
 落ち着いた雰囲気の店、ケースの中にタルトのケーキが数種並び、若い客が 多い。
デミタスのコーヒーが日本円で五十五円、カフェ・オ・レが七十円。
コロンビアの一ヶ月の最低賃金が百ドル、日本の十分の一であることを考えれ ば、
これはかなり高い。
 つまりこの店はコロンビアの高級レストランで、金持ちの子弟や地方から
来た有力者が客となっている。
 コーヒーの焙煎は、強く、ヨーロッパのコーヒーに似た味がする。
中南米の味の原点はスペインである。この店では、ヨーロッパのエス
プレッソなどの抽出と同じく、すべてがコーヒーマシーンで抽出するコーヒー
であった。
 中南米の大部分はなべでコーヒーをボイルして布で濾す方式で、日本のよう
なネルドリップやカリタ方式は見当たらない。
 そんな中で、大都市の高級レストランでのみコーヒーマシーンが使用されい る。
それからこの店で、私は予期せぬものに出会った。アイスコーヒーである。

 アイスコーヒーは日本では、いつどこでも飲めるコーヒーの代表のよう
な存 在になっているが、世界ではそうはいかない。
 これまで二十年間の中南米旅行で私は一度も見聞したこがなかった。
そのアイスコーヒーがコロンビアのコーヒー有料レストランで出されていた。
 アイスコーヒーは紛れもなく日本人の発明である。それが今、世界の飲料になり
つつある。




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